令和2年度実績報告(ホームページの多言語化による市民と公共施設の連携強化~情報共有のモデルケース~)
事業名
ホームページの多言語化による市民と公共施設の連携強化~情報共有のモデルケース~
実施団体名
NPO法人フィール・ザ・ワールド
事業の目的
昭和日常博物館のホームページを新たに世界共通語である英語で作成し、外国人が利用しやすいようにする。また、昭和日常博物館が提供しているサービスを外国人も享受できるようにする。
ホームページの多言語化による市民と公共施設の連携強化~情報共有のモデルケース~報告書
事業の概略
令和2年6月から令和3年2月まで9か月に渡り、当団体が指揮を執りながらホームページ制作者、翻訳者、行政の関連部局との連携の下に、昭和日常博物館の英語版ホームページを制作した。
事業の効果・成果
昨年度、当該館が受賞した第1回日本博物館協会賞では、世界に発信することが博物館の責務になった。2021年9月にはクロアチアにあるヨーロッパ遺産協会が主催する「Best in Heritage」に日本を代表する博物館としてオンラインで発表することが決まっている。この英語版ホームページは博物館にとって必須のものとなったことは間違いない。
名古屋商科大学の経営学部に在籍する外国人留学生の協力も大きかった。彼らによって作られたホームページの案を見ていると外国人の若い世代が昭和のアイテムに対してどのような感情を抱くのかがわかった。そのことにより、世界中のどんな年齢層の人とも「懐かしい」を共有することが可能であることを実感できた。これは未来の昭和日常博物館の可能性を大きく切り拓く視点になるのではないかと感じる。
事業を実施しての問題点
補助金対象項目外の人件費がかなりかさんだ。1年後誰がどのように情報のアップデートをしていくか、制作開始時に決めきれなかった。
事業の課題・今後の展望
日本を代表する博物館を有することになった北名古屋。今後どのように世界に認められたこの素晴らしい市の宝物を賞の名に恥じないようにサポートしていけられるのか、今、真剣に考える時が来ていると感じる。市自体が、この功績を誇りに思い、市民との協働によって盛り上げていくように計っていく必要があると思う。財政面・人事面両方から市にあるリソースを集めて、支援するべきだ。世界的なレベルの認知を受ける大きなチャンスに恵まれたのだから、この機会を失わないようにするべきだと考える。
日本語と英語の両方を駆使しながら、世界的レベルのものを制作するには専門家集団を作ってサポートしていく必要があると感じている。今後も改善、検討が必要だと思う。
自己評価
◎:よくできた ○:まあまあできた △:あまりできなかった ×:全然できなかった ―:わからないまたは該当しない
着目点 |
評価 |
コメント |
事業の紹介を積極的に行い、市民に開かれた事業でしたか | ○ | 市を通してパブリックリリースを行い、テレビ愛知、中日新聞、北名古屋市民タイムズで掲載していただいた。市の広報、当団体ホームページ、フェイスブック、ラインなどで紹介することができた。 |
事業を実施することにより、不特定多数の市民の利益増進につながりましたか | ○ | 市内外の外国人に博物館の存在を知ってもらうことができた。また英語学習者にとって日本の文化や歴史の伝え方の良い例となっている。 |
事業を通じて市民の理解や参加、協力が得られましたか | ○ | 英語に興味関心の高い市民に英語版ホームページを紹介したことにより博物館を再認識してもらうことができ、博物館に実際に足を運ぶ人が増えた。「ふるさとの良さの再発見」につながった。 |
当初の事業計画、予算計画は適切でしたか | ○ | 予想の三分の一の予算で完成した。 |
事業を確実に実施するために適切な体制でしたか | ○ | 事業自体は確実にできたが広報宣伝や協力者、理解者、資金支援者を募ることはできなかった。 |
新たな成果や仕組みを生み出すなどの波及効果がありましたか | ◎ | 日本語版を英語に訳すのではなく、外国人がわかりやすく見やすい英語版ホームページの制作は国内にもあまり例がなく、それなりの波及効果はあったと考える。 |
他団体とうまく協働し、事業を進めることができましたか |
◎ |
名古屋商科大学の経営学部に在籍する外国人留学生、オーストラリア人のホームページ制作者等と協働できた。 |
行政や団体が単独で行うより、効果をあげることができましたか | ◎ | 博物館をはじめ、人事秘書課、市民活動推進課に多大なご協力をいただくことができた。 |
事業を継続するための計画、工夫、協力体制ができていますか | ◎ |
市の大きな支援により、市役所のホームページ上から英語版ホームページに飛べるようにしていただいた。博物館からはデータや文献など、全面的にご協力いただいた。 この後は館自体がリーダーシップをとっていただけることになっている。 |
自己資金の確保に努めていますか | × | 必要不可欠なことだったが、マンパワーの欠如により資金援助の協力者や理解者を募る活動が全くできなかった。 |
費用対効果を考え、経費削減などの工夫をしましたか | ◎ | 当初ホームページ制作においては予算以上がかかると予測をしながら開始したが、制作者の深い理解と温情によりかなり安く制作していただけた。 |
当初の目標、目的どおりの成果が得られましたか | ◎ |
この事業進行中に、令和2年度第1回日本博物館協会賞受賞という嬉しい知らせが届き、はからずしてこの英語ホームページが世界中の人々に情報を届けるきっかけとなった。 |
審査会委員評価
事業の良いと思われる点
- 成果が目に見える形となったことを評価したい。
- 市も、市立の博物館であるとはいえ、サーバーやドメインの点で協力体制が敷けたことは評価できる。
- 外国人留学生の協力を得たことで、外国人の若い世代の反応を見て、新たな可能性に気付いた点は素晴らしい結果だと思う。これを、今後も活かしていってほしいと思う。
- 市として内外に発信したいことを、市民団体がうまくフォローして完成させた点が良いと思う。
- 日本語のホームページを翻訳するだけでなく、外国人目線で英語版ホームページを制作したところがとても良い。
事業についてのアドバイス、期待する点
- ただ、これは、市の課題であろうが、HPの更新はどの程度の頻度でなされるのであろうか。少なくとも、9月のBest in Heritage までは、きちんと英語での情報発信がなされるであろうことを期待したい。
- 外国人留学生の協力を得たことで、外国人の若い世代の反応を見て、新たな可能性に気付いた点は素晴らしい結果だと思う。これを、今後も活かしていってほしい。
- 私自身、このホームページの事を全く知りませんでした。市民への宣伝(広報)にも力を入れるといいと思う。
- 今後開催される企画展などの宣伝、アップデート、是非まめに続けていただきたい。
- 日本博物館協会賞受賞にあわせ歴史民俗資料館の紹介を英語翻訳できたことは、北名古屋市だけでなく日本にとっても良かった。今後、ホームページの更新についても期待したい。
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