2015年02月01日
春・ネル・おふとん―昭和時代の「寝る」にまつわる博物誌

春・ネル・おふとん―昭和時代の「寝る」にまつわる博物誌

展示期間:平成27年3月1日〜5月31日
2014年度、昭和日常博物館では人間の営みの基本である「くう」「ねる」「あそぶ」をテーマに展示会を開催しています。
子どもたちの夏休み期間と重なる夏は『熱闘・昭和ボードゲーム年代記』で「あそぶ」、食欲の秋は『ショウワ・キュイジーヌ』で「くう」、そして「春眠暁を覚えず」と漢詩で詠われる春は『春・ネル・おふとん』で「ねる」。
一日の疲れを癒すため、明日への活力を養うため、「ねる」という行為はいつの時代の人々にとっても非常に大切なものです。快適な睡眠を得るために、人々は様々な工夫をこらし、たくさんの寝ることに関わる道具を生み出してきました。
本展示会では、昭和時代の「ねる」ことにまつわる収蔵資料を一堂に会し、睡眠に関連する道具の移り変わり、道具に込められた快眠のための知恵や工夫を探っていきます。この春、昭和時代の「ねる」にまつわる博物誌を紐解いて、心地よい睡眠のためのヒントを見つけてください。 




2015年01月21日
『里芋入り岩石豆腐』

『里芋入り岩石豆腐』

オススメレシピ締めくくりの一品です。_ito

『里芋入り岩石豆腐』(「冬のお惣菜料理」婦人倶楽部昭和29年11月号附録)

「思いきり冷たくしても、又熱いできたても美味しいこの料理は、お年寄にことのほか喜ばれましょう。」


【材料:1人前】
里芋 中五個、玉子 一個半、煮出汁(にだし)五勺(=90ml)、調味料
【下拵え】
@里芋はよく水洗いして泥を落し、擂鉢(すりばち)に水を少々入れて芋を入れ、図のように軽く米をとぐ要領で攪拌(かくはん)するときれいに皮がむけます。沸騰した湯に芋を入れてさっと湯煮し、水にとってぬめりを取り除き、再び湯に入れて七分通り茹でます。笊(ざる)にあげて水気を切り、砂糖、醤油、煮出汁で煮含めておきます。
A煮出汁に砂糖、醤油を加えて、そば汁くらいの味の割汁(わりつゆ)を作ります。
【作り方】
玉子をよく溶いて、割汁大匙二杯加えてよく混ぜ合せ、角形の容器に里芋を並べて、図のように、この上に玉子汁を静かに流し入れ、蒸器に入れます。蒸器には図のように布巾を一枚敷いておいてこの上に入れ、最初やゝ強火にし、中頃は弱火にして八分通り火が通ったころ火をとめ、余熱を利用して蒸し上げます。
【コツ】
強火で蒸すとすがたちます。
【盛付け】
容器から取り出して適宜に切り、皿にとります。サラダ菜、パセリを飾ると一層引き立ちます。
【感想】
里芋がゴロゴロと入った茶碗蒸しというようなシンプルな料理ですが、上手に作るのはなかなか難しいようです。スが入らないように上手く蒸すのと、崩れないように型から出すのとが一番の難関とのことです。
味はあっさりとやさしく、ホクホクの里芋とつるりとした玉子部分との異なる食感が楽しめて、お年寄りや子どもにも喜ばれそうな料理です。【調理:K 感想:ito】



2015年01月14日
『人参コロッケ』

『人参コロッケ』

ヘルシーでおいしいオススメレシピのご紹介です。_ito

『人参コロッケ』(「冬のお惣菜料理」婦人倶楽部昭和29年11月号附録)

「肉を使わなくても、すばらしく美味しい人参コロッケで、人参嫌いのお子さまでも喜んで頂く栄養料理です。」


【材料(三人前)】
三寸人参(さんずんにんじん)中三本、じゃが芋中一個、玉葱小一個、玉子一個、牛乳四勺(=72ml)、バター、小麦粉、パン粉、揚油、調味料
【下拵え】
@人参は皮をむいておろし、Aじゃが芋、玉葱はみじんに刻みます。B玉子は割りほぐして水五勺(=90ml)をよく混ぜておきます。
【作り方】
鍋に小匙一杯のバターと人参、じゃが芋にひたひたくらいの水を入れて人参が柔らかくなるまで煮ます。これを更になめらかにするために裏漉(うらご)しにかけます。玉葱は小匙二杯のバターを溶かしたフライパンで色のつかないように炒め、透明になったら小麦粉大匙一杯を加えて更に炒めます。こゝへ牛乳を入れてつぶつぶのないように図のように木杓子(きじゃくし)でよく混ぜながら煮つめます。どろどろとしていたのが少し固まりましたら、裏漉(うらご)しした野菜を加えて更に混ぜ、塩、胡椒、味の素で調味します。これがすっかり冷めてから三つに分けて木の葉型にまるめ、普通のコロッケの要領で、小麦粉、玉子水、パン粉の順につけて、よく煮立った油で手早く揚げます。
【コツ】
コロッケは強火で少し焦がすくらい煮立てた油で短時間に揚げます。長く油に入れておくと、中身がふくれて割れてしまいます。
【盛付け】
有合せの野菜(ほうれん草の塩茹で、キャベツのせん切など)をあしらって皿の手前側にのせ、ケチャップなどをかけて、温かいうちに頂きます。
【感想】
人参とじゃが芋をしっかりと裏漉ししているので、口当たりがとてもなめらかで、クリームコロッケを食べているようです。人参がたっぷり入っていますが、人参独特の臭みはまったくなく、甘みがしっかりと引き出されていて、バターと牛乳の風味とよく合っています。また、玉葱のみじん切りも食感、味ともにいいアクセントになっていて、野菜だけのコロッケとは思えないほどの美味しさです。【調理:Y 感想:ito】



2015年01月07日
『お餅のカレー煮』

『お餅のカレー煮』

お正月のお餅が残っていたらこんな食べ方はいかがでしょうか。_ito

『お餅のカレー煮』(「一年中の經濟料理の作方六百種」主婦之友昭和15年新年号附録)

「若い人達に歓迎される、目先の変わつたお餅の頂き方です。」


【作り方】
若い人達に歓迎される、目先の変わつたお餅の頂き方です。固いお餅でしたらこんがり焼いて、搗(つ)きたての軟いのならそのまゝ薄い鹽湯(しおゆ)に浸けて温めます。
深鍋に煮出汁(だし)を入れ、人参の細切を放して、軟くなつたらカレー粉と片栗粉の水溶きを加へ、どろりとさせます。
これを鹽(しお)で好みの味をつけ、物足りないやうでしたら醤油を少々滴(たら)し、葱を薄く斜切(はすぎり)にして入れ、次にお餅を入れて、一煮立ちしたら火を止め、熱いところをすゝめます。
【感想】
シンプルなカレーうどんの汁といった味で大変おいしく仕上がりました。片栗粉のとろみで冷めにくく、スパイスの刺激も加わるので、寒い冬にはぴったりな一品です。
ただ、ご覧のとおりレシピには詳しい分量などは一切書いてないので、調理はすべて手さぐり。味をみながら、塩としょう油とカレー粉を何度も追加して、ようやく納得のいく味にすることができました。【調理・感想:ito】



2014年12月18日
『甘藷(スヰートポテト)入りそばがき』

『甘藷(スヰートポテト)入りそばがき』

クリスマスにもぴったりなちょっと変わった昭和モダンなスイーツをご紹介します。_ito

『甘藷(スヰートポテト)入りそばがき』(「お客様料理全集」主婦之友昭和11年新年号附録)

「クリスマスやお正月のお菓子としておすゝめしたい、美味しいものです。」


【材料】
甘藷(さつまいも)三百匁(=1125g)、そば粉コップ一杯、砂糖コップ三分の二杯、香料。
【作り方】
甘藷(さつまいも)の皮をむき、丸のまゝ水につけてあくをぬきます。
これを小口より輪切りにし、ひたひたより少し多い目の鹽(しほ)湯(コップ五杯ほど)を入れ、弱火(とろび)で煮ます。
軟かく煮えたなら、そば粉を、粉のまま、(一度篩(ふる)つておく)ばらばらとその中へまき入れ、茶筅(ちゃせん)形の泡立器でまぜ、火の上で煮ながら、しつかり練ります。
よく練つたら、砂糖を入れてまた練ります。これはよく練るほど光澤(つや)が出て、きれいに滑らかになります。これを湯煎(ゆせん)にかけ、香料として、オールスパイス茶匙五分の一、ナッツメッグ茶匙五分の一、バニラ・エッセンス五六滴を入れてまぜ、ゼリー型を水でぬらして、詰めて冷やします。
これを温かくして食後のお菓子として出すときは、ゼリー型にバタをたっぷりひき、一度冷やして固つたものを、出す前に蒸すか、テンピで焼くかして、バタ・ソースをかけて出します。
▲バタ・ソース
鍋に、バタ大匙山一杯をとかして、メリケン粉大匙小山一杯を入れてよくまぜ、砂糖コップ三分の二ほど入れ、この中へ煮立つたお湯を徐々に入れて、弱火(とろび)でしばらく煮て、香料としてバニラ・エッセンス少々、ブランデー大匙二杯ほど入れて下します。
これはオールスパイスが入つてゐますので、クリスマスらしい香りがして、非常に美味しいものです。
一週間や十日間おいても、腐る心配はありませんから、澤山作つておき、切つては焼いていたゞいてもよろしいのです。
寫眞のは、生クリームを飾りました。
また、初め甘藷(さつまいも)を煮るお湯をコップ二杯減らして、後で練るとき牛乳一合を入れて練ると、一層滋養に富んで、美味しくなります。
【感想】
今回は冷やして固めたものに生クリームをトッピングしてみました。見た目はそば粉の色のため、抹茶プリンのようです。味はオールスパイスとナツメグが入っているせいか、そば粉の味はあまり感じられず、ちょっとスパイシーな芋羊羹といった風味です。スパイスの苦手な方やお子さま向けにはスパイスの量を減らしたほうが食べやすいかもしれません。食感は芋羊羹ほどもったりとはせず、固めのういろうのような、少しもっちりとした感じです。【調理:A 感想:ito】



2014年12月17日
『牛肉のパルマンチール』

『牛肉のパルマンチール』

今回はクリスマスの食卓にもおすすめのレシピをご紹介します。_ito

『牛肉のパルマンチール』(「冬の家庭料理三百種」婦人世界昭和26年新年号附録)

「味つけした馬鈴薯に牛肉をつゝんで揚げたもの。」


【材料】
牛挽肉五十匁(=約200g)、玉葱一コ、馬鈴薯二百匁(=750g)、小麦粉、玉子一コ、塩、胡椒、油。
【作り方】
玉葱をみじん切にしてフライ鍋に油少量を入れていため、強火にして牛挽肉を加えていため塩、胡椒で味をつけて小麦粉大さじ一杯を平均にふりこみ、よく混ぜて一二分間炒めて火から下しておきます。
馬鈴薯の皮をむき、やわらかくゆでて熱いうちにつぶし、小麦粉を馬鈴薯の量の一割分ほどまぜ合せ、玉子をほぐし入れ、よくまぜて塩、胡椒で味をつけ、練り上げておきます。
馬鈴薯が幾分冷めてから、馬鈴薯の中に炒めた肉をつゝみ、熱した油で揚げ、熱いうちに皿に盛り供します。
【感想】
「パルマンチール」とは、フランスの薬剤師・農学者・栄養学者のアントワーヌ・オーギュスタ・パルマンティエの名にちなんだジャガイモを用いた料理をさすparmentier(パルマンティエ)のことです。
この料理、味付けはごくシンプルですが、ジャガイモもちのようにもちもちとした食感と、油で揚げた表面のカリッと香ばしい味が相まって大変おいしくいただけました。シンプルな味なのでケチャップをかけたり、ソースを添えたり、いろいろアレンジしてみてもおいしくいただけそうです。【調理:K 感想:ito】



2014年12月16日
特別編:パーティー・メニュー

特別編:パーティー・メニュー

NHK総合の「ほっとイブニング」(12/11放送)と「情報まるごと」(12/12放送)で取り上げられたクリスマスにもピッタリな、ヘルシーでおいしい?パーティー風メニューをご覽ください。

◎トマトジェリーのサラダ
◎小松菜ロールパン
◎マカロニの白ソースかけ
◎エッグ・サイダー

本日はこの中から『マカロニの白ソースかけ』のレシピをご紹介します。_ito


『マカロニの白(ホワイト)ソースかけ』

『マカロニの白(ホワイト)ソースかけ』(「一年中の經濟料理の作方六百種」主婦之友昭和15年新年号附録)
【作り方】
マカロニは四つか五つに折つて、たつぷりの湯で茹で、水に晒(さら)して笊(ざる)に上げておきます。マカロニの代りにうどんでも結構です。
白ソースは、牛乳の代りに生大豆粉を使つて作りませう。大豆粉は三倍くらゐの水で溶いてよく火を通し、豆乳を作ります。次にフライ鍋(パン)にバタ大匙一杯を熔(と)かしてメリケン粉大匙二杯をよく炒め、豆乳を徐(しづ)かに漉(こ)し入れて、とろっとした濃さに伸し、鹽(しほ)、胡椒で味を調へます。
別の鍋に、ラードでも胡麻油でも少々入れ、熱したところでみぢん切の玉葱とにんにくもほんの少し加へて炒め、マカロニを入れてなほ炒めたら鹽(しほ)味をつけ、白(ホワイト)ソースで和へるか、マカロニをお皿に盛つてから、かけてもよろしいです。
これにははうれん草の胡麻和へをつけ合せると、申分のない榮養お惣菜になります。
【感想】
生大豆粉は現在ではダイエット食材として大変注目されていますが、調べてみると昭和戦前期にすでに生の大豆を製粉する技術が開発され、国民の体位向上のためとして栄養面に着目し積極的に利用していこうとする動きがあったことを知り、驚きました。
このホワイトソースの味つけはバタと塩・コショウだけですが、ほんのり豆乳の甘味が感じられ、今回は大変おいしく出来上がりました。以前に試作した時には、小麦粉・生大豆粉をふるいにかけなかったので大変粉っぽく、豆乳にしっかり火を通さなかったため大変青臭いものになってしまいました。少しの手間を惜しむと料理の味はこれほどまで変わるのかということを実感したレシピです。【調理:資料館スタッフ一同 感想:ito】



2014年12月12日
フード消しゴムづくり

フード消しゴムづくり

12月7日(日)特別展関連ワークショップが行われました。粘土状の5色の消しゴムで、「昭和日常食堂」のオリジナルメニューを考案する企画です。参加者は20名の子ども達。アートエデュケーター松村淳子さんの進行のもと、保護者の皆様も一緒に楽しまれました。
 出来上がりは多種多彩!大好物を合体させた単品料理や定食、お水やフルーツ・野菜のアレンジメニューなど、よ〜く考えられた品々ばかりです。写真におさめたメニューはシェフ直筆のレシピを添えて1月30日(金)迄展示しています。




2014年12月11日
「ぬいぐるみたちの一夜の大冒険」

「ぬいぐるみたちの一夜の大冒険」

11月29日から30日に「ぬいぐるみたちの一夜の大冒険」が東図書館・歴史民俗資料館で開催されました。子どもたちが大切にしているぬいぐるみが、図書館・歴史民俗資料館に泊まり、静まり返った館内を大冒険しました。_ichihashi
詳しくは、図書館ホームページをご覧ください。http://tosho.city.kitanagoya.lg.jp/event/nuigurumi2.pdf








歴史民俗資料館を冒険しているシーンを掲載しました。




2014年12月09日
『豚肉のロール・ドマカロニ』

『豚肉のロール・ドマカロニ』

以前にも登場した長〜いマカロニの特徴を活かした料理をご紹介します。_ito

『豚肉のロール・ドマカロニ』(「冬の家庭料理三百種」婦人世界昭和26年新年号付録)

「マカロニの代りにうどんでも結構です。豚挽肉の代りに魚肉(こそげて)でしても美味しいものです。」


【材料】
豚挽肉五十匁(=約190g)、マカロニ三十本、玉葱一コ、小麦粉、バタ、塩、胡椒、トマトケチャップ
【作り方】
マカロニを水に浸しておき、後熱湯でゆでて笊(ざる)にあげておきます。
玉葱をみじん切にして豚肉とまぜ、塩、胡椒して小麦粉大さじ五杯を水少量でかたくといてつなぎにまぜ合せ、五つに分けておきます。
ゼリー型か茶碗にバタを塗り、マカロニを渦巻にぐるぐると八分目まで入れて豚肉を入れ、その上にまたマカロニを渦巻に入れて蓋にし、熱湯の中に入れて煮るか、または熱した蒸器に入れて蒸し、底をちょっと水の中に入れて型から出し、トマトケチャップをかけてごく熱いところを供します。
トマトケチャップがなければ何のソースを添えてもよろしいのです。
【感想】
現在では、短く切られていない、長いマカロニを使う機会はなかなかありませんが、かつてマカロニは通常長いものだったようです。昭和初期の料理本の中にはマカロニのことを「管うどん」と書いているものもあります。
この料理は、味付けはシンプルですが、肉汁を吸ったマカロニが歯ごたえもよく、非常においしいです。この料理に似たレシピは昭和初め頃から昭和30年代までの料理本に何度も登場していて、長いマカロニを使った人気の定番料理だったことがうかがえます。【調理:Y 感想:ito】



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