回想法シンポジウム2010 「ご来場・ご協力ありがとうございました」

 「地域回想法最前線 回想法シンポジウム2010」にご参加いただき、ありがとうございました。 また、これまで北名古屋が実践している「思い出ふれあい(回想法)事業」にご支援を頂いた方々、回想法センターに視察、来館頂きました皆様方にも厚くお礼申し上げます。
 平成14年度から回想法事業を立ち上げ、これまでに回想法スクールを修了された卒業生の会「いきいき隊」隊員の数が300人を超える一方、NPO法人シルバー総合研究所主催の研修等で回想法の手法を学ばれた方々が、多くの介護施設、病院、自治体等で回想法を実践された結果、認知症予防としての回想法は全国に広く普及しました。また、各地の博物館も回想法関連事業を開始しています。これらの成果を得て、改めて回想法の意義と課題を検証し、地域において実践されている回想法「地域回想法」がいかにあるべきかを、先進的に実践されている関係団体の方々に集っていただき議論し合うシンポジウムを企画、開催する運びとなりました。
 シンポジウムは、平成22年11月20日(土)と21日(日)の両日、北名古屋市文化勤労会館で開催し、晴天の良き日和に恵まれ、1,300人の来館者がありました。2日間のプログラムは予定通りに進めることができ、初日午前中は、特別講演として遠藤英俊先生の「回想が脳に及ぼす効果」、梅本充子先生の「回想法の評価指標」を、午後は作家リンボウ先生こと林望先生の「ついこの間あった昔」と題した基調講演、その後、林望先生、東洋大学の野村豊子先生らを交えたパネルディスカッション「回想法の力をハカル」を開催しました。
続いて2日目の午前は回想法や町興しを先進的に実施されている関係団体の参加を得て、地域回想法サミット「地域回想法と介護予防・地域資源の活用」を来島修志先生の司会の下に開き、地域回想法のあるべき姿を議論しました。その午後には市歴史民俗資料館から「懐かしい道具のユニバーサルなチカラ」と題したフロアートーク、そして、いきいき隊(北名古屋市の回想法スクール卒業生)と子どもたちを含めた有志の方々による回想演劇「あの頃の思い出」を催し、どれも多くの参加者、熱心な聴講者で盛況のうちに終えることができました。
 また、両日にわたっては、全国で回想法を実践されている諸団体からのポスターセッション「地域の取組紹介」を開き、回想法の情報交換を広く行うことができました。さらに各会議室等では、様々なワークショップ、いきいき隊の活動発表、懐かしい料理の試食、伝承遊び、チンドンヤ、ポン菓子等々盛りたくさんの内容で、来場者の皆さんに楽しんでいただきました。
 さらに、英国の回想法センター指導員バーニー・アリーゴ氏が来日、特別ゲストとしてご参加いただき、多方面からご助言を賜り、本シンポジウムに華を添えていただきました。
 今回のシンポジウムで、このように多くの来場者を得て、回想法の広がりを実感することができました。その一方で、地域回想法の次なる姿を議論し、打ち出して発信していくことが、今回のシンポジウムでの課題・目的でもありました。
 シンポジウム冒頭の市長の挨拶、パネルディスカッション、回想法サミットでの意見等々から見えてきました地域回想法のこれからの姿は、無縁社会が社会問題になっている昨今、希薄になっている地域や家族の連帯を、尊い高齢者の記憶で少しでも強いものへと変えていくことができないか。家族や地域の絆を、地域回想法の力で取り持つことができないかというものでした。
 回想法の効果検証をさらに重ねていくことは言うまでもありませんが、地域回想法がこれから求める姿は「絆(きずな)」であることを確認できました。野村豊子先生からいただいた言葉でもあり、今回のシンポジウムのサブテーマでもあります「時をつなぐ、人をつなぐ、地域をつなぐ」という言葉の意味を再確認し、地域回想法の持つ力で、家族、地域社会の絆をより確かなものへ繋げることができるように寄与してまいりたいと考えます。  本シンポジウム2日間の内容をまとめ、ここに報告しますとともに、開催にご支援、ご協力をいただきました関係者の皆様、来場・参加していただきました皆様方に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。
 今後も地域回想法のフロンティアの名に恥じないよう研鑽を積んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

平成23年3月

北名古屋市役所 福祉部高齢福祉課
北名古屋市教育委員会 生涯学習課
(歴史民俗資料館)


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