○北名古屋市男女共同参画推進条例
平成18年3月20日
条例第70号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 基本的施策等(第9条―第19条)
第3章 意見及び相談の対応(第20条―第22条)
第4章 男女共同参画審議会(第23条)
第5章 雑則(第24条)
附則
日本国憲法には、男女は個人として尊重され、法の下に平等であるとうたわれています。
しかしながら、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく制度や慣習等の課題が依然として存在しており、男女共同参画社会の実現には、なお一層この課題の解決に取り組んでいくことが必要です。
“健康快適都市”を目指す私たちのまち北名古屋市は、女性も男性もお互いの人格を尊重し、あらゆる分野で対等なパートナーシップを発揮しながら、自立した人としての意識と能力を高めます。
そして、私たちと将来を担う子どもたちのために、一人ひとりが自己実現できる“認めあい助けあうまち・いきいきと輝けるまち・きたなごや”を目指し、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し基本理念を定め、市、市民及び事業者等(民間又は公的機関及び営利又は非営利を問わず、事業や活動を行う団体及び個人をいう。以下同じ。)の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定め、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進することにより、認め合い助け合って、いきいきと輝ける男女共同参画社会の実現を図ることを目的とする。
(基本理念)
第2条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。
(1) 男女があらゆる分野において性別による差別的扱いを受けることなく、個人としての能力を発揮する機会が均等に確保され、男女の人権が尊重されること。
(2) 男女が共に社会の対等な構成員として、市、事業所及びその他の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(3) 男女が性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく制度や慣習によってその活動が制限されることなく、多様な生き方が選択できるよう配慮されること。
(4) 男女が互いに人格を尊重し、相互の協力と社会の支援の下に、子育て、介護、その他の家庭生活と職場、その他地域のあらゆる分野における活動を共に行うことができるように配慮されること。
(5) 男女が、互いの性の理解を深めるとともに、妊娠、出産その他、性に関する事項については自らの意思が尊重され、生涯を通じた心身の健康づくりが推進されること。
(6) 男女共同参画は、広域的及び国際的な協調の下に推進されること。
(市の責務)
第3条 市は、男女共同参画の推進を主要な施策として位置付け、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、男女共同参画の推進に関する施策(以下「男女共同参画施策」という。)を総合的かつ計画的に策定し、実施しなければならない。
2 市は、市民、事業者等と協力し、連携して男女共同参画施策を実施しなければならない。
3 市は、率先して男女共同参画社会の実現に努めなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、基本理念に基づき、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、自ら進んで男女共同参画を推進するよう努めなければならない。
2 市民は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者等の責務)
第5条 事業者等は、基本理念に基づき、男女が職場における活動に対等に参画できる機会の積極的確保に努めるとともに、職場生活と育児、介護等の家庭生活を両立して行うことができる職場環境を整備するよう努めなければならない。
2 事業者等は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(男女共同参画に関する教育)
第6条 学校教育その他のあらゆる教育に携わる者は、男女共同参画の基本理念に配慮した教育を行うよう努めるものとする。
2 市民は、将来を担う子どもたちの教育に関し幼少期から、家庭及び地域で男女共同参画の基本理念に配慮した教育を行うよう努めるものとする。
3 学校教育その他の教育に携わる者は、市が実施する男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(性別による権利侵害の禁止)
第7条 何人も、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取り扱いを行ってはならない。
2 何人も、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメント(性的な言動により他人に不快感又は不利益を与えたり、生活環境を害すること)を行ってはならない。
3 何人も家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、ドメスティック・バイオレンス(配偶者等に対する身体又は精神に著しく苦痛を与える暴力その他の行為)を行ってはならない。
(市民に表示する情報への配慮)
第8条 何人も、市民に表示する情報、広告等において、性別による固定的な役割分担意識又は異性に対する暴力を助長する表現その他過度な性的表現を行わないよう努めなければならない。
第2章 基本的施策等
(基本計画)
第9条 市長は、男女共同参画施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 市長は、基本計画を策定するに当たっては、市民及び事業者等の意見を反映させるよう努め、第23条第1項に規定する北名古屋市男女共同参画審議会に諮問しなければならない。
3 市長は、基本計画を策定したときは、これを公表しなければならない。
4 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
(市民等に対する支援)
第10条 市は、男女共同参画を推進する活動を行う市民及び男女共同参画を推進する団体に対し、情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
(実施状況の公表)
第11条 市長は、主要な男女共同参画施策の実施状況等について公表するものとする。
(体制等の整備)
第12条 市は、男女共同参画を推進するために必要な体制を整備するとともに、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
(参画機会の拡大)
第13条 市は、市民及び事業者等と協力して、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる分野において、性別にかかわりなく能力を発揮する機会が均等に確保されるよう努めなければならない。
2 市は、政策決定過程への男女共同参画を推進するため、附属機関として設置する審議会等委員構成に男女間格差が生じている場合には、積極的にそれを是正するための措置を講ずるよう努めなければならない。
3 市は、男女共同参画を推進するため、職員の能力開発を進め、その能力と適性に応じて、性別にかかわりなく適切に人材配置するよう努めなければならない。
(拠点施設の整備)
第14条 市は、男女共同参画施策を実施するため、拠点施設の整備に努めるものとする。
(学習及び教育に対する支援)
第15条 市は、男女共同参画について理解が深まるように、市民の生涯学習を支援するとともに、学校教育、社会教育、家庭教育等あらゆる教育において、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(家庭生活における活動とそれ以外の活動との両立支援)
第16条 市は、男女が共に育児、介護その他の家庭生活における活動と職業、地域等の家庭生活以外の活動を両立することができるように必要な支援を行うよう努めなければならない。
(雇用等の分野における男女共同参画の推進)
第17条 市は、事業者に対し、雇用の分野において男女共同参画が推進されるよう、情報の提供及びその他の支援を行うよう努めるものとする。
(生涯を通じた健康支援)
第18条 市は、男女が互いの性の理解を深め、生涯を通じて心身共に健康に過ごすことができるよう、必要な支援を行うよう努めるものとする。
(国際的協調)
第19条 市は、男女共同参画を推進するため、国際交流の促進、情報交換等必要な支援を行い、国際的協調に努めるものとする。
第3章 意見及び相談の対応
(意見の申出)
第20条 市民、事業者等は、市が実施する男女共同参画施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に対して、市長に意見を申し出ることができる。
(相談の対応)
第21条 市は、男女共同参画の推進を阻害する権利侵害に関する市民及び事業者等からの相談に対応するため、関係機関との連携を図り、支援体制の整備充実に努めるものとする。
(男女共同参画相談委員)
第22条 前条の規定による市民及び事業者等からの相談に対して、その内容を調査し、関係者への助言を行うため、市長は、北名古屋市男女共同参画相談委員を置くことができる。
第4章 男女共同参画審議会
(男女共同参画審議会)
第23条 男女共同参画施策の円滑かつ効果的な推進を図るため、北名古屋市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、次に掲げる事項について調査審議する。
(1) 基本計画の策定及び変更に関する事項
(2) 男女共同参画の推進に関する事項
3 審議会は、前項の規定による調査審議を行うほか、男女共同参画の推進に関する事項について、市長に対し、意見を述べることができる。
4 審議会は、市長が委嘱する15人以内で組織し、委員の一部は公募する。
5 男女いずれか一方の委員の数は委員の総数の4割未満であってはならない。
6 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。
第5章 雑則
(委任)
第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成18年3月20日から施行する。